先日、「大獣医療展 VETS EXPO 2016」、に参加してきました!
会場は「横浜おおさん橋ホール」。オシャレな場所ですね~(^^♪
学術講演や整形外科実習を受け、数多くの企業ブースで情報を仕入れてきました。
さて、その中でも、個人的に大注目だったのが、本大会で販売開始となった日本発のロッキングプレート、「TITAN LOCK(タイタンロック)」です。講演と実習を受けてきました。ちなみに、「プレート」とは整形外科、特に骨折の内固定治療に使う金属の板です。
なお、ロッキングプレートについての有用性は過去ブログでも取り上げていますので、ぜひご覧くださいm(__)m。カンタンに言うと、普通のプレートよりも治療効果の優れたプレートです。
↓↓過去ブログ↓↓
http://hatorinoah-blog.seesaa.net/article/419407115.html
すでに当院では「MATRIX(マトリックス)」というロッキングプレートを導入していましたが、日本で多い小型犬の骨折ではやや大きいのが難点でした。
ちなみにこれは、当院でマトリックスを用いて治療した骨折の例です。
正直この症例では骨のサイズに対してマトリックスのプレートがやや大きく、直前まで使用の是非を迷ったのですが、様々な判断の結果、使用することとしました。
結果としては、問題なく治癒してくれました(^^;)
再生できない場合、ダウンロードは🎥こちら
しかしこの例よりも、もっと小型の犬の骨折の場合はマトリックスでは難しくなります。
現在の日本では、極小犬の飼育が圧倒的に多いんですね。
そこで、その日本の現状に合わせた治療材料として、今回この、
「タイタンロック」
というロッキングプレートが発売されたのです。
本大会で実習を受け、本当によくできたロッキングプレートであることを確認。
で、早速ですが当院でも、「タイタンロック」を導入!
これで、すでに活躍しているマトリックスと合わせて、極小~小型の犬での骨折治療に大いに役立ってくれると思います(^^)
ちなみにですが、「骨折」と一言で言っても、様々な場所で起こりますよね。
しかし、小動物臨床で遭遇する骨折は、今は、そのほとんどが前腕部の骨折なんです(橈尺骨折)。なぜかというと、この部位の骨は、強い外傷でなくても折れてしまうからなんですね。
フツーの骨は、強い力がかかってもなかなか折れないのですが、
この前腕部(手首から肘の間です)だけは要注意!
成長期の仔犬や小型犬では、ちょっとした高さから落下しただけでも、着地の仕方によっては容易に折れてしまうことがあります!ホントに注意してくださいね。
もし、不幸にも橈尺骨を骨折してしまった場合は、多くのケースでロッキングプレートを用いた内固定が最善の治療となります。
もちろん折れないのが一番ですが、もし万が一の場合は、最善の治療で対応したいと思います!
さて、今回のブログも最後。
これを機に整形外科について、当院で良くお受けしている質問をご紹介します。
質問① 整形外科の手術は、やっていますか?
はい。行っています。今回ご紹介した、よく遭遇する小型犬の橈尺骨折では、ロッキングプレートを用い、より安全で確実性の高い手術を目指しています。その他の骨折手術の実績としては骨盤骨折、指の骨折、大腿骨骨折などを行っています(折れ方などによっては当院でできないこともあります)。他の整形外科の手術としては、十字靭帯断裂に対する関節外法、大腿骨頭切除なども実施しています。このように、整形外科の手術は可能な範囲で実施していますが、やはり当院で100%の手術をカバーできるわけではありません。その場合は、外科手術専門の先生に手術を依頼したり、整形外科専門科がある病院にご紹介したりして対応しています。
質問② 整形外科の手術にはいくらかかりますか?
整形外科の手術は費用が高いと思ってらっしゃる方が多いようです。例えばですが、今回ご紹介したロッキングプレートを用いて骨折治療をした場合では、材料実費だけで最低でも5~6万円ほどかかることが多く、場合によってはその材料だけでも10万円を超えてしまうこともあります。そのため、確かにトータルの金額が大きくなってしまうことがあります、申し訳ございません。手術前にご説明しますので、遠慮なくご相談下さい。なお、費用を抑えるため最適な治療法を選べない場合は、当然ですが良い結果を得られない可能性が高くなってしまいます。
院長 窪田