この時期になると、今シーズン分の残りのフィラリア予防薬をまとめて取りに来る方が増えてきます。
で、よく聞かれるのが
「いつまででしたっけ?」
「11月までですよね?」
「12月なんて必要ないでしょ?」
というお言葉。
たしかに「何月まで」と明確に決まっていた方がシンプルでわかりやすいですよね。
そう。たしかに、わかりやすい説明も大事なのですが・・・、
でもでも、最も大事なのは、
「フィラリア感染をきちんと予防できるかどうか」
ですよね?
そのためには、最低限の予防メカニズムを知っていただくと、いつまで予防するか?についての理解が深まります。今回、このポイントだけを解説しますから、よければ知っておいて欲しいと思います。
で、いつまで予防するか?についての最も重要なポイントは・・・
「フィラリアの最終感染日の後(2週間以上後)に最後の予防を行う」
ということだけ。実はコレだけを知っておいてもらえばOKなのです。
しかし、フィラリアの最終感染日は、実際はその年その時になってみないとわかりません。なぜならば、気候がその年によって違うからです。ですから、いつまで?ってのは、実は厳密に言うと難しいトコロなんですね。
じゃあどうする?ということで、過去のたくさんのデータから、フィラリアの最終感染日を推定しよう!という方法があります。
※以前もご紹介したHDUを用いた方法です:http://filaria.jp/html/hdu/
この方法によると、
フィラリアの最終感染は、もっとも遅い年で<11月中旬>ごろ
と推定されます。
※千葉県のお話です:http://filaria.jp/html/hdu/kanto/index.html#chiba
なので、それ以降、つまり、11月下旬以降が最終予防となるわけです。
具体的には、
★月末ごろに予防しているワンちゃんでは、11月下旬が最後
★月初ごろに予防しているワンちゃんでは、12月上旬が最後
これが、最終予防のタイミングです!
なので、このブログ記事の最初の質問たちへのお答えとしては、何月まで?というよりも、11月下旬以降に最後の予防をする、というのが答えとなります。
最後が11月になる方と12月になる方の差は、単純に予防のタイミングによる差です。11月は必要だけど12月は必要ないとか、そういう次元の問題ではありません!ですから、12月に必要な方が、11月下旬で終了の方よりも、無駄に1回多く予防しているわけでもありませんよ!!!
しかし、どうしても私たちの仕事は疑われやすいようで(笑)。
「無駄に売りつけられている!」
「12月なんて金儲け病院だ!」
と言われてしまうことも時々あったり・・・(^^;)
そもそも、フィラリア予防は任意ですから、予防するしないはご家族の自由です。例えば、夏だけでいいんだ!というお考えであれば、病院がそれ以上を強制するものではありません。
しかし、私たちはプロである以上、質問にお答えする場合は、確実に予防ができる正確な内容をお話しなくてはなりません。ですので、学問的にフィラリア感染期間を推定した上で、フィラリア予防薬の説明書通りの予防期間を推奨しているだけなのです。
↓↓フィラリア予防薬の説明書↓↓
いかがでしょうか?理解が深まってもらえたら何よりです。
それでもまだ疑問があれば、いくらでもご説明しますから遠慮なくお尋ねください。
↓↓もっと詳しく知りたい方は、ブログの過去記事もどうぞ↓↓
http://hatorinoah-blog.seesaa.net/article/420611921.html
では、後半戦の予防も忘れずに頑張りましょう。
院長 窪田